新型コロナウイルスの影響で、ひめゆり平和祈念資料館、県平和祈念資料館、対馬丸記念館の沖縄戦関連3施設で、3~6月を中心に予定されていた平和学習などの団体予約が少なくとも290件キャンセルとなったことが23日分かった。予約のキャンセルや休館もあり、3施設の4月の入館者数は前年同月比92~98%減と大幅に落ち込み、5月はさらに減ると予想される。慰霊の日まで1カ月。沖縄戦の継承、平和教育にも新型コロナが影を落としている。
団体予約のキャンセルは、コロナの影響で今月末まで休館しているひめゆり平和祈念資料館は約150件。3月中旬から断続的に休館し今月21日に再開した県平和祈念資料館は114件。4月10日から休館し今月22日に再開した対馬丸記念館は26件。いずれも3~6月が中心だが、7月以降の予約がキャンセルになっているケースもある。
3施設とも3月ごろから入館者が減少。4月の入館者数は、ひめゆり平和祈念資料館が1369人で前年同月の3万5518人から96・2%減、県平和祈念資料館が570人で前年同月の3万7414人から98・5%減、対馬丸記念館は104人で前年同月の1385人から92・5%減となった。
2019年度の合計入館者数でもひめゆり平和祈念資料館は18年度比7・3%減の49万1345人、対馬丸記念館は同14・0%減の2万2333人だった。県平和祈念資料館は同25・0%増の43万5619人だったが、20年3月は19年同月比1万5880人減の4519人で減少に転じた。
3施設ともに6月以降は予約が維持されたり、予約取り直しの動きも見られたりするが、年間の予約数は減り、入館者数の減少も避けられないとみられる。