球場確保で独自大会に道 高野連は再流行が懸念材料


社会
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 沖縄県高野連の独自大会開催の決定は、新型コロナウイルスの収束が大前提だ。14日に政府や県独自の緊急事態宣言が解除され、21日には学校も再開した。県内では23日連続で新規感染者ゼロが続いており経済、社会活動が再開したことも判断時の鍵となった。

 判断は球場が確保できていたことも大きい。県高野連は、当初予定していた6月20日から7月中旬まで、球場を押さえていた。開幕日を7月4日にしたのも岩﨑勝久会長は「球場がある程度確保できていたことも一因」と説明する。

 大会実施に向けては、課題も山積する。新型コロナの第2波への懸念だ。春季大会は無観客や最少人数での大会運営など対策を講じてきた県高野連の関係者は「ノウハウがある」と自信をのぞかせるが、一部では感染への懸念の声があるのも事実だ。大会が終われば3年生は就職や受験勉強なども控える。感染防止対策は今後の最重要課題だ。春季と同じく無観客での実施に踏み切った場合、大会運営費の確保など資金繰りの問題も残っている。

 県高野連の決定は延期を決め開催可否について調整を進めている県高校総合体育大会(県総体)や県中学校総合体育大会(県中学総体)をはじめ、各競技の県大会にも波及しそうだ。

 野球に限らず、スポーツ界全体の再開には“安全な環境”が最優先だ。大会を待ち望む子どもたちのためにも、徹底した感染防止を心掛けることが求められる。ほかに先駆けて開催を決めた高野連の対応が今後も注目される。

 (上江洲真梨子)