沖縄県議選、握手でなく「グータッチ」で応援 街頭演説が本格化


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ソーシャルディスタンスを取りながら、ガンバロー三唱で気勢をあげる支持者ら=25日午後、那覇市(一部画像を処理しています)

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が全国的に解除された25日、県議選(29日告示、6月7日投開票)の立候補予定者らが街頭で大規模演説会を本格化させた。支援者らにマスク着用を促し、1・5メートル以上の距離を保つよう呼び掛けるなど、感染防止に工夫を凝らす。緊急事態宣言下で目立った活動を控える「サイレント選挙」から一転、立候補予定者らは前哨戦を本格化させ投票率向上へ躍起となっている。

 立候補予定者の一人は25日、政党の大型街宣車を用意して、那覇市内の街頭に繰り出した。マスクを着用したまま、壇上から支援を訴えると有権者からの反応も。街宣車からは「ご参加の際は、マスクの着用をお願いします」「1・5メートルの間隔を開けていただきますよう、お願いします」とアナウンスが流れ、スタッフの間でも距離を保つなど細心の注意を払った。演説を終えた立候補予定者は、握手ではなくグータッチで支援者らと触れ合った。

新型コロナウイルス感染拡大を警戒し、立候補予定者と握手ではなくグータッチする支持者=25日午後、那覇市

 足を止めて聞き入った人たちの声はさまざまだった。30代の女性は「あまりに静かで選挙があると分からなかった。誰に投票するかしっかり選びたいから、(立候補予定者)本人の話を聞けて良かった」と語る。40代男性は「感染の第2波が来ないか心配だ。それでも選挙は行きたい」と話した。

 県内では3月下旬ごろから感染者が連日発生し、立候補予定者らは事務所開きや決起大会を中止するなど、従来通りの政治活動ができず苦心していた。新人候補の多くは知名度不足を補おうと会員制交流サイト(SNS)などを活用し、政策の浸透を急いでいた。全国的に緊急事態宣言が解除されたことで、立候補予定者らの活動がより活発化しそうだ。
 (’20県議選取材班)