困窮高校生「命削って働くしか」「進学が親を苦しめないか」 沖縄県調査報告書


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 「進学したいけど、お金がないからと言われた。夢を諦めるしか方法はないのか」「命を削って昼も夜も働くしかない」。沖縄県が29日に発表した2019年高校生調査報告書には、厳しい経済状況にあえぐ親子の悲痛な声がつづられていた。

 母子家庭の生徒は、母親が昼夜問わず働くが家計は苦しいと訴える。その母親が病気にかかり「夢を諦め、高校卒業後、働くことも視野に入れている」とし、同じような悔しい思いをしている人が多いと強調する。

 経済的理由から親から大学進学への厳しさを突き付けられた生徒は「やりたいことができないほど、つらいことはない。人生をやめたくなる」と、思い詰める様子がうかがえた。

 親を気遣う子どもたちの言葉もあった。「進学するとしても、親を苦しめないかが不安。親がどんなに大丈夫と言っても、仕事に加えアルバイトまでしている現状から申し訳なく思っている」「塾には両親が必死で働いたお金を出してくれているので、迷惑を掛けないよう夜ご飯を買うのもやめて夜遅くまで勉強している」

 一方、親からは沖縄の低賃金や交通費、制服代、校納金などかさむ支出を訴える声が多く寄せられた。「沖縄はとにかく収入が低い。どうにかしてほしい」「毎日の生活がかつかつで大変。子どもの体育着も小さくなり買ってあげたくても厳しくて…」「高校生になるとお金がかかりすぎ」などの声があった。

 子どもを進学させたいが経済的に厳しいと思い悩む声もあった。ひとり親世帯の保護者は「進学を考えている子どもに学費が高いから行くなと言えない」とした。

 大学進学の夢を抱く娘を持つ保護者は「できるのであればかなえてあげたい。しかし経済的に苦しいことを娘に伝え、やる気のつぼみをつんでいたように思う。わが家は苦しいので(娘が)アルバイトでためたお金も生活費に充てたりして悲しい現実です」と厳しい現状を訴えた。