小潮にサンゴ産卵「大変珍しい」 美ら海水族館、夜の水槽で一斉放出


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 【本部】沖縄美ら海水族館(本部町)で約70種類のサンゴが展示されている水槽「サンゴの海」で5月31日夜、産卵が確認された。サンゴは毎年、5~6月の大潮前後で産卵するが、今回は小潮だった。産卵のタイミングは潮や水温、天候などさまざまな要因が関係しているとされる。魚類課サンゴ礁展示係の永田史彦さんは「小潮の産卵は過去に何度かあった程度で非常に珍しい」と驚いた。

 産卵は2002年6月の開館準備期間を含み、19年連続で確認された。展示用水槽のサンゴ約450群体のうち60群体ほど、沖縄近海で広く分布する「コエダミドリイシ」「ハイスギミドリイシ」の2種が主だった。

(上)「サンゴの海」で確認された産卵(下)精子と卵が入ったカプセル「バンドル」が放出された(沖縄美ら海水族館提供)

 産卵の時期になると飼育員が毎晩、サンゴの状態を観察している。今年は5月31日午後10時半から1時間、精子と卵が入ったピンク色のカプセル「バンドル」が一斉に放出された。

 誕生したサンゴの幼生は3日から1週間程度展示している。永田さんは「沖縄の海を身近に感じてほしい」と述べた。