県は4日、沖縄防衛局に対し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた工事を再開しないよう求める文書を送った。2月と3月に埋め立て予定地周辺で、ジュゴンとみられる鳴き声が確認されていることを受けた行政指導だ。絶滅が危ぶまれるジュゴンの保護対策について効果を疑問視し、工事の影響を改めて調べるべきだと指摘した。ジュゴン保護の考え方や工事の実施状況について11日までに詳しく説明するよう求めた。
県は2月にジュゴンとみられる鳴き声が記録されたことを受け、4月17日にも工事停止を求める文書を送っていた。防衛局は県の中止要請に応えなかったが、従業員1人が新型コロナウイルスに感染したことを受け4月末に作業を止めた。
3月にも鳴き声が観測されたことに、県は「ジュゴンの生態に対する工事の影響を再評価することなく工事を再開すれば、ジュゴンを保護する機会が失われる可能性がある」と懸念を示した。