【浦添】25年以上美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築を表彰する日本建築家協会の2019年度「JIA25年賞」に浦添市立図書館が選ばれた。図書館は1985年に完成。東京の内井昭蔵設計事務所と共同で設計を担当した東設計工房(那覇市)の山城東雄(あずまお)会長らが5月29日、浦添市役所を訪れ、松本哲治市長に受賞を報告した。
図書館は手作りの赤瓦屋根が特徴。山城会長によると、浦添城から出土した高麗瓦がモチーフになっており、中村家住宅など、沖縄の古民家の影響も受けているという。「伝統を取り入れながら、うまくできた。市民に愛されていることを誇りに思う」と話した。
審査委員から「時を重ねたこの図書館が地元に根付いていると実感できた」「地域や風土との関係を育みつつ、市民に親しまれる雰囲気を持ち、厳しいコストの下で職人的な仕事を随所に盛り込んだ図書館を造るべく、精力を注いだに違いない」と高い評価を受けた。
松本市長は「しっかり丁寧に維持してきた結果。市民の自慢の図書館」と受賞を喜んだ。同図書館の上里隆史館長は「図書館も開館35年の節目。時を経て評価されることに歴史の積み重ねを感じた。泡盛の古酒のように熟成して違う味わいが出てきている」と話した。