沖縄県出身アートディレクターの志喜屋徹(あきら)さん(51)の個展「BASE―ココカラ、マタ、ハジメル。」が13日から沖縄市のプラザハウスショッピングセンター3階ギャラリー&スペースで開かれる。21日まで。入場無料。沖縄戦後の物が乏しい時期に米軍が捨てた物資も県民がたくましく活用し、文化へと転換していったことに着想を得た個展。県内で集めた米軍払い下げ品を材料に制作したカンカラ三線やクレヨンなど約20点を展示する。
個展では、戦争に使う米軍の道具を平和に向かう文化へと転換していくことを想起させる作品が並ぶ。銃弾用の弾倉に七色の絵の具を塗った作品は、不満や憎しみの「弾」を込めるよりも、希望や願いの「魂」を込めるイメージ。
米軍基地の有刺鉄線のとげ部分をハート型の月桃紙で包んだ作品もある。とげで人を拒絶するのではなく、「赦(ゆる)し」や「愛」で包む花に転換していくことを想起させる。
志喜屋さんは「沖縄の文化を見直し、戦後の物作り精神と今を重ねて感じてもらえたらと思う」などと話し来場を呼び掛けた。14日午後1時からは、展示会場で参加者が絵を描くワークショップも行われる。参加無料。
新型コロナウイルス対策のため、参加者が多い場合は参加制限をする可能性もある。
問い合わせはライカムアンソロポロジー(電話)098(933)1142。