左腕ルーキーが、大器の片りんをのぞかせた。オリックスのドラフト1位、宮城大弥(嘉数中―興南高出)が5月の紅白戦に登板し、2回を1安打無失点に抑え、将来を嘱望する首脳陣の期待に応えた。2軍で調整を続ける宮城だが、2軍も19日から公式戦がスタートする。好調を維持し、1軍入りを目指すルーキーの挑戦の年が始まる。
1軍対2軍で行われた紅白戦で、ホームグラウンドである京セラドーム大阪のマウンドに立った。「思った以上に広く、スタンドに人がいなくても緊張してやばかった」と楽しみよりも緊張が勝ったという。七回からの登板で「最初は緊張した」。
その言葉とは裏腹に、打者に向かっては落ち着いた様子で投げ出し、初球から低い直球で押す。先頭で打撃好調の西村凌にこそ安打を許したものの、併殺打などで後続を断ち、進塁は許さず。八回は三者凡退に仕留めた。
活動自粛中も、マウンドでの登板をイメージし制球力を磨くトレーニングに注力した。1軍相手に好投しても「短いイニングしか投げられていないので、まだまだ」と控えめな自己評価。勝負球の変化球でカウントを稼げないこともあり、制球力を目下の課題に挙げ、自分のペースで向上を目指す。
球団は1軍起用を急がず育てる方針で、2軍でこつこつと実績を積むことになりそうだ。ただ、いよいよ始まる公式戦に気持ちは高まる。開幕は2軍で迎えるが「早く1軍で登板したい」と強く繰り返した。「いつも通り練習して、しっかり調整していきたい」とも語る。開幕で一段とギアを上げ、進化を遂げた姿で、ルーキーイヤーの1軍マウンドに立つことを誓う。
(上江洲真梨子)
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新型コロナウイルスの影響で、開幕が遅れていたプロ野球がいよいよ19日、開幕する。活動自粛中も、球場での活躍を思い描き、技を磨いてきた選手たち。昨季、大きな才能を開花させ、さらなる飛躍が期待される注目の県勢選手に改めて意気込みを聞いた。