ひめゆり、島守など12慰霊祭「中止せず」短縮や縮小で対応 一部は自主参拝


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 6月23日の慰霊の日に沖縄県内各地で行われる慰霊祭で、主な21慰霊祭のうち12カ所が規模を縮小して開催する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止としたところも「み霊に対して、何もやらないことはできない」「同窓生に花を手向けたい」と考え、時間を短縮したり、自主参拝という形を取ったりして、祈りをささげる。

慰霊祭で涙を流しながら校歌や別れの曲を歌う元ひめゆり学徒たち=2019年6月23日、糸満市伊原のひめゆりの塔

 慰霊祭の中止は沖縄師範健児之塔、海鳴りの像、開南健児之塔、ずゐせんの塔の4カ所。ずゐせんの塔は慰霊祭そのものは中止するが、同窓生が参加して花を手向け、焼香する予定。旧県立首里高等女学校瑞泉同窓会の新元貞子さん(94)は「例年通りの慰霊祭は中止するが、同窓会として献花を行う。多くのみ霊のご冥福をお祈りすることは変わらない」と話す。

 白梅之塔は規模を縮小した慰霊祭を実施し、自主参拝とする。白梅同窓会の中山きく会長(91)は「今年は人々の健康を考えるのが第一で、中止はしないが縮小はやむを得ない。新型コロナが収束したら、また皆さんにお会いしたい」と話し、慰霊祭を続ける意義を語った。

 南洋群島戦没者慰霊碑は中止の方向で検討していたが、規模縮小での開催を決めた。南洋群島帰還者会の安里嗣淳事務局長(74)は「み霊に対して何もやらないということは、できないと言った意見があった」と明かす。透明ビニールなどを設営し、新型コロナ感染対策を施す。

 ほとんどの慰霊祭は参加人数を制限し、時間を短縮して実施される。