ガマで恐ろしい戦争体感 恩納村山田小児童が平和学習


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講師の話を聞く児童ら=15日、恩納村山田のカーブヤーガヤの入り口

 【恩納】恩納村立山田小学校の5、6年生が「平和学習」の授業で15日、山田グスク下のカーブヤーガマ(壕)を見学した。

 最初は6年生20人と引率の教諭3人が入った。自然の洞窟である壕は樹木やツタが生い茂る山道の先にあり、案内人の比嘉茂区長の後について山道を登る。時折滴が落ちてくる薄暗い壕の中で、児童たちは当時の状況や壕内での生活を講師から熱心に聞いていた。

 講師は山田で生まれ育った糸数吉雄さん(81)と比嘉ヨネ子さん(79)の2人。山田の前区長でもある糸数さんは山田小学校の1期生。比嘉さんは元図書館員で山田の歴史には詳しい。

 カーブヤーガマは奥行き80メートルもある大きな壕で区民たちが避難した。後から島尻や読谷方面からの避難民が加わった。女性たちは奥の方に、手前には年寄りや子どもたちがいた。芋などの食料は夜になると家に取りに行き、トイレは穴を掘って済ませたという。

 当時7歳の糸数さんは「怖い、ひもじい、ただそれだけだった。戦争は絶対にやってはいけないよ」と話して聞かせた。

 熱心にメモを取った東瑞姫さんは「戦争の恐ろしさがよく分かった」と言い、安富祖未来さんは「食料やトイレの大変な話を聞き、戦争をしてはいけないと思った」と話した。滑る山道は比嘉区長が事前調査に行きロープを張るなど安全対策に努めた。

(小山猛三郎通信員)