めざせ米国、沖縄で国籍フリーのバスケクラブチーム発足へ 元プロ・栗野氏が主導


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トライアウトでドリブル技術をアピールする選手たち=19日、嘉手納町の兼久海浜公園

 国籍を超えて小中高生が集うバスケットボールのクラブチームが立ち上がろうとしている。主導するのは元プロ選手で、現在県内外でバスケ教室を展開するエリータスバスケットボールアカデミー沖縄(北谷町)の栗野譲代表(39)だ。19、20の両日には嘉手納町でトライアウトを行い、米軍基地内の子どもらを含め約30人が参加した。今月中にも選手選考を終え、国内のほか、米国での大会出場も目指す。

 チーム名は「TEAM ELITUS OKINAWA(チームエリータス沖縄)」。小学生と中学生のU15、中高世代のU18の各カテゴリで15人ほどを選抜し、それ以外にも育成目的で選手を受け入れる。トライアウトには日本や米国、二重国籍の選手らが参加した。

栗野譲氏

 日本バスケ協会(JBA)と米国内で大会を主催するアマチュア運動連合(AAU)の両方に加盟する予定。栗野氏は「普段は国内大会で腕を磨き、AAUが大会を開く夏季は米国に挑戦したい」と説明する。将来的には、米国遠征の際に県内の学生から選抜したチームで挑む構想も描く。

 栗野氏が20―21シーズンからプロバスケBリーグ1部に昇格する信州ブレイブウォーリアーズでアシスタントコーチも務めているため、シーズン中は米国でコーチライセンスを持つスタッフが指揮を執る。同スタッフは日本のコーチライセンスも取得する予定。

 運営のモデルとするのは東京を拠点に活動するクラブチーム「TOKYO SAMURAI(東京サムライ)」だ。インターナショナルスクールに通う生徒や海外志向の強い日本人選手らで構成する。BリーグU15やAAUの大会への出場、国内の強豪校との練習試合などで若手を育成し、プロ選手も輩出している。

 神奈川県横須賀市出身で、米国人の父と日本人の母との間に生まれた栗野氏は米国の高校、大学でプレーし、2003年から15年間、日本でプロ選手として活躍した。現役引退後、沖縄のバスケ熱の高さに引かれ、18年に県内に移り住んだ。今後に向け「日本人と米国人が共に暮らす沖縄だからこそできる多様性豊かなチームで県外、海外にチャレンジしたい」と語った。