三連協が立ち入りへ 嘉手納基地火災 北谷町長「情報錯綜した発表内容も疑問」


三連協が立ち入りへ 嘉手納基地火災 北谷町長「情報錯綜した発表内容も疑問」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【中部】米軍嘉手納基地内の危険物取り扱い施設で火災が発生し、塩素ガスが放出された問題で、沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協、会長・當山宏嘉手納町長)が基地内へ立ち入り事故現場を視察する。當山町長が申し入れ、米軍側がそれを認めた。日程は今後、調整するが、三連協は早ければ今週中にも実施したい考え。事故原因の早期究明と公表、迅速な連絡体制なども米側へ要請する。

 嘉手納基地の第18航空団のサング・ドーン任務支援群司令官が24日、3市町の首長に電話で謝罪した上で現場視察を受け入れる意向を示した。事故を巡っては、米軍が周辺自治体に報告するまで数時間を要し、自治体からは通報体制を問題視する声が上がっていた。

 塩素ガスを含んだ煙は基地内にとどまり、周辺住民への影響はなかったとする米軍の報告について當山町長は「どのような調査をし、何を根拠に安全と結論付けたのか詳細は分からない」と指摘した。町への連絡は放出判明から4時間後だったことに触れ「風に乗って拡散する可能性もある。市民の不安を払拭(ふっしょく)するためにも調査結果の詳細を確認したい」と述べた。

 沖縄市の桑江朝千夫市長は「迅速な対応と報告、原因をしっかり知らせてもらいたい」と述べ、通報体制の見直しを訴えた。北谷町の野国昌春町長は、事故で手当てを受けている基地内関係者が当初の発表より倍増するなど「情報が錯綜(さくそう)しているようで発表内容自体が疑問だ」と述べた。
 (当銘千絵、下地美夏子、新垣若菜)