沖縄の高校生、飲酒・喫煙が急減 学校の対策と社会の変化反映か 琉大調査


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 喫煙や飲酒といった健康に関する「危険行動」を行う高校生が年々減少していることがこのほど、琉球大学医学部の高倉実教授らの調査で明らかになった。「現在喫煙」(最近30日で1日以上喫煙した男子高校生)は2016年の調査で4・4%となり、02年と比較すると20・4ポイント減少した。「現在飲酒」も29・9ポイント減り、16年は9・8%になった。女子も現在喫煙が8・8ポイント減の1・7%に、現在飲酒が33・2ポイント減の8・6%となった。その他の指標も軒並み改善している。

 指標の改善理由について、高倉教授は「大人の喫煙、飲酒割合が減少していることや、危険行動防止の政策や学校における取り組みが功を奏している」と指摘している。

 高倉教授らは02年、05年、08年、12年、16年に高校の協力を得て全県的な調査を実施した。それぞれの調査で県内の高校生3千人前後から回答を得ている。飲酒、喫煙、性行動、食行動のほか、ヘルメットの非着用などの傷害関連行動を含む全33項目について経年変化を観察した。

 性交時のコンドーム使用は02年調査で男子63%、女子58・4%にとどまっていたが、16年は男子81・9%、女子71%まで改善した。

 一方、1日3時間以上パソコンやゲームをする割合は16年調査で男子22・2%、女子15・2%となり、調査開始時の08年より増えた。男子の果物摂取、女子の絶食に関する指標は悪化している。

 高倉教授は「健康増進法の制定や『健康日本21』などの政策で高校生を取り巻く環境に変化が起きた。社会環境の変化が大きな影響を及ぼしたのではないか」と説明した。

 この調査結果は日本学校保健学会誌「学校保健研究」に掲載された。