男女平等多様性条例案、異例の否決 宜野湾市議会総務委 与党が「性的指向」異議


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 【宜野湾】宜野湾市議会6月定例会の総務常任委員会(桃原朗委員長)は25日、市提案の「市男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案について採決し、主要与党会派が反対して否決となった。議会事務局によると、市提案の条例案を与党が否決するのは異例。主要与党会派が多数の本会議(29日)でも否決となる公算が大きい。

 条例案は主要与党会派から条例の名称や内容に疑義があり、同委員会で継続審査となっていた。全ての人が平等で多様性を認め合い、人権を尊重することなどを目指す理念条例で、市が3月定例会に提出していた。採決では主要与党会派の4人が反対し、与党の公明議員と中立、野党の合わせて4人が賛成した。可否同数となり、委員長裁決で否決された。

 条例案に反対討論をした平安座武志議員(絆輝クラブ)は、条例案に「性的指向」といった文言が入っていることなどに、議論が不十分と指摘した。条例案提案を知らない人がいるとして「認知度を上げて条例案を出すべきだ。反対と賛成が二分される中、市の理念条例として合わない」と強調した。

 中立と野党議員らは賛成討論で「全市民が人権を守るため制定して周知し、平和な宜野湾市を推進してほしい」「性別や国籍、人種の違いがあっても平等に尊重するのは議員として当たり前のことだ」などと述べた。