元学徒や同窓生ら参列 ひめゆり慰霊祭 平和、命の大事さ訴え


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平和と命が大事と訴える島袋淑子さん=23日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館

 【糸満】慰霊の日の23日、糸満市のひめゆり平和祈念資料館にあるひめゆりの塔前で慰霊祭が開かれた。新型コロナウイルス感染防止のため例年より規模を縮小して執り行われ、元学徒3人や同窓生4人、同資料館職員らが参列した。

 慰霊祭に参列したひめゆり平和祈念資料館元館長の島袋淑子さん(92)は焼香の際、こらえていた涙を止めることができず、唇を震わせながら手を合わせた。慰霊祭の最後に歌った校歌は声が震え、歌い続けることが難しかった。

 島袋さんは慰霊祭の後、「この日は気持ちがおかしくなる。自分が生きているのが申し訳ない。でも生きているから(沖縄戦のことなどを)話すことができる、みんなごめんねという気持ちだ」と苦しそうな表情で話した。また「戦争を起こした人を憎み足らない。どんなに世の中が変わっても、戦争はいけない。平和と人の命がどんなに大事か分かってほしい」と強い口調で訴えた。