「子の居場所」知っている26% 県内、子育て施設の認知度低く活用不十分


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 県と内閣府は26日、就学援助制度の受給世帯の保護者と子どもを対象に2019年度に実施した子育て支援などに関するアンケート結果を公表した。子育てに活用できる施設やサービスなどの「社会資源」の認知度について、「学童保育」を知っていると回答した保護者は67・9%、「図書館・博物館」が67・1%、「児童館」が62・5%で、広く知られていると思われる施設やサービスでも認知度が7割に届かないことが分かった。子ども食堂などの「子どもの居場所」を知っているとした保護者は26・6%にとどまり、中学生らが対象の原則無料の学習支援「地域未来塾」ついては10・9%で、十分に活用していないことが浮き彫りになった。

 調査は19年11月に内閣府の「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」として県が大阪府立大に委託して行った。就学援助率が県内平均より高いうるま市と低い糸満市の同制度受給世帯にアンケートを行い、保護者494人、子ども814人が回答した。回収率は保護者で17・2%、子どもで15・9%と低かった。

 社会資源の利用については、「図書館・博物館」と回答した保護者が最も多く68・4%、続いて「地域の集まり」54・8%、「学童保育」47・9%だった。利用前と後での子どもとの関係に変化があったどうかでは、会話するようになったとした保護者が増加した。

 子どもについては、よく行く社会資源として「図書館・博物館」と回答する子が最も多く18・9%、「公民館」が14・6%、「学童保育」が13・0%と続いた。理由は「友達と遊ぶため」が最も多く50・2%、「勉強するため」が37・5%だった。「家に誰もいないため」とした子どもも14・4%いた。利用する前と後では、「失敗したときに助けてくれる人」が「たくさんいる」と回答した割合が利用後は8・8ポイント増えて45・3%に上った。