かりゆしウエア「他の人とはかぶりたくない」 紅型をデジタル化した「びんがた柄」でセミオーダー


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琉球びんがた柄のセミオーダーかりゆしを製作する(左から)シンプル企画の安里輝美さん、islandworksの野原真麻さん、琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの小渡あずささん=宜野湾市大謝名

 アパレル企画・販売のislandworks(宜野湾市、野原真麻社長)は、展開するブランド「Kizuna Okinawa」から、琉球びんがた柄のセミオーダーかりゆしウエアを販売している。6月からはオンラインで販売も始めた。新型コロナウイルスの影響で注目が集まる非対面ビジネスへの展開について、野原社長は「デジタルネーティブ世代の市場へのアプローチ方法としても確立させたい」と話している。

 「他の人とはかぶりたくない」という消費者のニーズに応えようと始めたセミオーダーかりゆし。デザイン型5種、びんがた柄4種、生地30種、襟型5種から組み合わせ、自分だけの1枚に仕立てる。野原社長は「『選ぶ』から『カスタムする』かりゆしウエアへと作る楽しみも提供したい」と話す。

 びんがた柄は紅型工房が本紅型として染め上げた生地をデジタル化し、それをプリントしてテキスタイル生地にしたものを使用している。販売価格の10%を知的活用ロイヤルティー(使用料)として工房に支払う。

 琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの小渡あずささんは「それぞれの柄にストーリーがあり、工房の思いがある。県民に本物の紅型の図柄を着てほしい」と期待する。

 パターン(型紙)制作、縫製はシンプル企画(うるま市)が担う。安里輝美代表は「パターンから縫製までを一緒にやっているので、細かな要望に応えることも可能」と話す。

 オンライン販売は最初に生地見本、びんがた柄見本、デザイン、サイズ表、メジャーが入ったキットを500円で購入し、それをもとにオーダーする。注文から納品まで1カ月程度かかる。価格は1万5300円(税抜き)から。