戦火逃れた反物を着物に 「戦場になった恩納村」特別展 村博物館


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特別企画展「戦場となった恩納村」への来場を呼び掛ける教育委員会の崎原恒寿文化係長(右)、村史編さん係の瀬戸隆博さん=13日、恩納村博物館

 【恩納】沖縄県恩納村の教育委員会文化係と村史編さん係が合同で行う特別企画展「戦場となった恩納村」が13日から、同村博物館で開催されている。展示品の中には戦火を逃れた反物から仕立て、母から娘に贈られた着物などが展示されている。7月12日まで。

 着物の寄贈者の佐渡山照子さんの母・しずさんは戦前、自宅で養蚕を行っていた。米軍上陸後は織った反物を、もみ殻を保存していたつぼの中に入れて隠し、山中の木にくくりつけて戦火を逃れた。

 反物は焼け焦げた部分を裁ち落とし、しずさん自らが染めて縫製した。照子さんは昨年7月、「長く残せる所に託したい」と同館に寄贈した。

 そのほかの展示品も、文化係長の崎原恒寿さんは「どうやったら若い子に伝わるのか考えてきた」といい、戦争のあらましや戦争体験者の声などは、写真パネル、職員が制作したイラストと合わせて紹介されている。

 午前9時~午後5時まで開館し、月曜日と公休日の翌日は休館。入館無料。問い合わせは同館(電話)098(982)5112。