米ホワイトハウスは22日(日本時間23日)、沖縄戦の終結から75年を記念して声明を発表した。沖縄戦で戦死した1万2千人を超える米軍人の「英雄」をしのび、勝利を勝ち取るために貢献した何千人もの軍人に敬意を表するとした。沖縄戦での犠牲の「遺産」には日米同盟が含まれ、この同盟は「世界の道しるべ」となっていると評した。この内容について識者は「米軍は戦後一貫して、沖縄は米軍人の血であがなった地との意識がある。これはずっと変わらないし、声明にも表れている」と指摘した。
声明では、連合軍の重要な戦略基地として沖縄を確保することを目的としてアイスバーグ作戦が立案されたと説明。1945年4月に1300隻のアメリカ艦艇と50隻のイギリス艦艇からなる艦隊が沖縄戦に参戦した。これらの船のうち26隻が沈没し、さらに168隻が深刻な被害を受けた。合計で20万人以上が亡くなり、「10万人近い沖縄の民間人の悲劇的な死も含まれる」とも付け加えた。
沖縄での厳しい戦闘は3カ月続き、海上と島で複数の戦いが起きたとして「米軍と連合軍は、崖やトンネルを含む危険な地形を進まなければならなかった」と表現した。米大統領は沖縄戦の82日間で、23個の名誉勲章を授与したとする。
日米同盟については「今日、同盟は全体主義的イデオロギーと独裁主義を有利にするために、世界秩序を損なうであろう敵対者を警戒している」とした。
沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)は声明の意図について「日本の戦後体制は米国がつくってやったと強調している。米中のせめぎ合いが強まる中、日本が中国サイドに離反することのないよう、改めて同盟成立の経緯を示し、くぎを刺す意味合いがあるのではないか」と語った。