米軍嘉手納基地の危険物取扱施設で火災が発生し有害な塩素ガスが放出された問題で、県の金城典和・基地対策統括監は30日、基地内の火災現場を視察し、米軍側に再発防止などを申し入れた。
この日、金城統括監は、報道陣に対し塩素ガスの影響で、喉や目の痛みを訴えた米軍関係者の中に3人の日本人が含まれていると明らかにした。いずれも軽症とみられるという。
金城統括監によると、26日夜に、沖縄防衛局を介し米軍側から県に対して、体調不良を訴えた人の中に基地内で働く日本人従業員3人が含まれているとのメールがあった。詳細は不明だが、米軍からは体調不良を訴えた人の全てが職務に復帰したと説明を受けたといい、3人は軽症とみられるという。
この日、金城統括監は第18施設群司令官のスコット・グレンジャー大佐から火災覚知の状況や消火活動などの説明を受けながら現場を確認した。米軍側に(1)火災の発生原因の究明と再発防止(2)県や関係自治体へのスムーズな情報伝達ができる連絡体制の構築―の2点を口頭で申し入れた。
視察後、金城統括監は報道陣に対し「県に情報が来るまでの時間が遅いという認識はある。米軍側からは、沖縄防衛局と緊密な連絡体制にあるとの話を受けたが、地元自治体に迅速に伝達する連絡体制の構築は必要だと思う」と述べた。
火災は22日午前に発生し、米軍が危険物取扱施設で保管していた次亜塩素酸カルシウムが消火の際に水と反応し、塩素ガスが放出された。米軍関係者ら約100人が喉や目に痛みやかゆみなどの症状を訴えていた。
県によると、今回現場の撮影は許可されなかったという。調査目的ではないため、サンプリングなども実施されなかった。