ブラジル出身、3歳下と授業…「日本がすごいのは教育だ」 県議会議長就任の赤嶺昇さんってどんな人?


社会
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沖縄県議会議長に就任し、抱負を語る赤嶺昇氏=1日、県議会

 県議5期目、第18代県議会議長に就任した。米軍基地問題をはじめ、新型コロナウイルス感染症対策、新たな沖縄振興計画の策定と課題山積の中、「議会の役割がますます必要とされる時期だ。沖縄県、沖縄県民のためになる議会運営を議員各位と目指す」と語る。

 生まれはブラジル・サンパウロ。11歳で家族と共に沖縄に引き揚げ、父の出身地の浦添市で小学校に通った。当時は日本語が全く話せず、三つ下の小学3年生の同級生と机を並べた。

 驚いたのは、児童全員が食べられる学校給食と教科書の無償配布。国土が広く資源も豊かな一方、貧富の差が激しく治安が不安定なブラジルと比べ「日本がすごいのはやっぱり教育だ」と痛感した。

 青年会活動をしていた29歳の時、浦添市議に初当選した。1995年の米兵による少女暴行事件で基地問題に関心を持ち始め、県外での季節労働を繰り返す周囲の若者たちを見ながら就職・定着率に関心があった。ただ議員の仕事の詳細を知っていたわけではなく「勢いで出た」と笑う。

 政治家としてライフワークとなったのは、待機児童や認可外保育、学童保育など児童福祉の問題。自身の幼少時や子育ての経験も踏まえ、「子どもの政策をやりたくて」県議になり、文教厚生委員長や県議会副議長を務めた。

 妻昌枝さんと2男1女の子育ても落ち着き、休みの日は1日1時間以上は自転車で浦添市内を回り、市民と触れ合う。53歳。