【本部】沖縄県本部町の沖縄美ら島財団は3日、ジンベエザメが目を防御する仕組みとして、白眼をうろこで覆っていることを確認したと発表した。ジンベエザメが目を引っ込めて隠す能力があることも分かった。同財団は「本種が視覚にあまり頼っていないとする一般的な説に再考を促すものだ」と成果を強調している。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)と米国のジョージア水族館との共同研究で明らかにした。約1年間かけて沖縄美ら海水族館(本部町)とジョージア水族館の個体で研究した。ジンベエザメが目を保護する仕組みはこれまで分かっていなかった。
OISTと協力してジンベエザメの目を覆っているうろこをマイクロCT(高解像度エックス線断層診断装置)で分析したところ、体表のうろこと形状が異なり、厚みがあるなど摩耗に対して強い形状をしていることが判明した。
ジョージア水族館との共同研究では、個体をエコー観察し、ジンベエザメが眼球の半分程度を体内に引っ込める能力があることも分かった。
沖縄美ら島財団総合研究センター研究員の冨田武照さんは「目は非常に繊細な器官だ。発見は脊椎動物の目の防御方法の多様性を示唆する」と述べた。
研究成果は、6月29日付で米国の科学総合誌「PLOS ONE」に掲載されている。