沖縄県、安和鉱山に立ち入り 辺野古土砂搬出 無申請採掘を調査


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琉球セメントの安和鉱山で状況を確認する県職員ら=2日(沖縄ドローンプロジェクト提供)

 琉球セメントが所有する安和鉱山で森林法に基づく林地開発許可を申請せず採掘していた問題に関し、沖縄県は2日、鉱山に立ち入って調査した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て用土砂が安和鉱山から搬出されている。開発の歴史が長いため開発許可の代わりとなるような手続きが過去にあったかどうかが焦点となっているが、現時点でその形跡は見つかっていない。立ち入りは違法状態かどうか確かめることが狙い。

 県は2日の調査で得た情報を精査し対応を検討する。無許可状態を解消するため申請書を提出するよう指導するとみられる。県と琉球セメントは弁護士を交え協議を重ねてきた。森林法は無許可開発の罰則として懲役や罰金、知事による開発中止命令なども定めているが、指導しても従わない場合や災害につながる場合など悪質な事例に適用されるため今回はそこまで踏み込まない可能性が高い。

 琉球セメントは3月、本紙の取材に対し「法令に基づく申請を行い、沖縄が日本に復帰する前の1964年から許可通りの操業をしている。森林法に基づく手続きについても必要な手続きを取っていると認識している」と説明している。