ウルトラマンの「光」次代へ 脚本家金城哲夫ウェブ資料館公開


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金城哲夫の誕生日に合わせて公開された「金城哲夫ウェブ資料館」の制作に携わった関係者=1日、南風原町商工会

 【南風原】5日は「ウルトラマン」シリーズの脚本を手掛けた南風原町出身の金城哲夫さん(1938~76)が生まれた日。南風原町観光協会は金城さんの誕生日に合わせて「金城哲夫ウェブ資料館」をインターネットで公開した。金城さんの家族や旧友、円谷プロ時代の監督など関係者17人のインタビュー動画を見ることができる。金城さんの人柄や、沖縄や作品作りへの思いを感じ取ることができる。同協会は「特に子どもたちにとって大きな光になってほしい。金城哲夫に夢を見て後に続く者が必ず出てくるはずだ」と期待を込めた。

「金城哲夫ウェブ資料館」トップページ(南風原町観光協会提供)

 「ウェブ資料館」の開設は、金城さんの魅力発信のほか、金城さんに関する資料を保存継承する目的で、構想から約3年をかけて実現した。公開されたインタビュー動画は3~20分程度に編集されており、フルバージョンは非公開、資料保存される。動画は、学生時代、円谷プロ時代、帰郷後と時系列で見ることができる。「帰ってきたウルトラマン」などの脚本を手掛けた上原正三さん(享年82)や「ウルトラQ」などで監督・脚本を務めた飯島敏宏さんのほか、今回初めて、金城さんの長女、松川奈里子さんがインタビューに答えた。

 インタビュアーとして取材をしたのは玉城優子さん。1993年に114回にわたって県内紙に金城さんの伝記「沖縄を愛したウルトラマン」を連載していた。「以前より食い込んだ話も聞け、今なお金城さんの死を心の中で整理しきれていない人たちの様子が印象深かった。資料として大変貴重だ」と話した。金城さんの弟、和夫さんは「円谷時代の話など、僕が知らない金城の顔もある。たくさんの方がこうやって彼の歴史を残してくれたことがうれしい」と話した。

 「ウェブ資料館」は南風原町観光協会のホームページから見ることができる。