那覇の日本そば店 美濃作が事業承継 ステーキハウス88が運営 「月桃そば」老舗の味はそのまま


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ステーキハウス88を運営する沖縄テクノクリエイトに事業を引き継いだ老舗日本そば店「名代蕎麦処 美濃作」の小山健さん(中央)、妻の早苗さん(左)、移転先で店長となる沖縄テクノ社の金城大輔さん=7日、那覇市久茂地

 沖縄県那覇市久茂地の老舗日本そば店「名代蕎麦処 美濃作」(小山健代表)が、ステーキハウス88を運営する沖縄テクノクリエイト(金城康次社長)に事業を引き継ぐことが決まった。小山代表(77)に後継者がいなかったため、沖縄銀行を通して事業承継した。現在の店舗は6月末で閉めており、8月中旬からステーキハウス88辻本店の2階に移転して営業する。

 美濃作は小山代表が那覇市松山で創業して42年となる。約3年前から事業承継の方法を模索していたところ、新たな事業展開を計画していた沖縄テクノ社への事業譲渡が決まった。同社は事業譲渡の金額は非公表としている。

 事業承継によって名物の「月桃そば」の商標は同社が引き継ぐことになる。小山代表は顧問として残り、十数人の従業員も同社が雇用するため、老舗の味をそのままに提供する。

 沖縄テクノ社として和食分野への進出は初めて。金城康樹常務は「幼い頃から通っていて大好きな店だったので無くしたくないと思った。創業40年を超えるブランドが二枚看板となる。新たなチャレンジとして頑張っていきたい」と語った。

 美濃作の新店長となる同社の金城大輔さんは「大将が一代でここまで看板を守り続けてきたことを尊敬している。味をしっかりと守っていきたい」と意気込んだ。

 小山さんは「久茂地から離れることに寂しい気持ちもあるが、金城店長ら若い青年に技術を引き継いでいきたい」と語った。

 新店舗は個室を備え、そば打ちが見えるように工夫も凝らす。駐車場を併設している。同社はSNSなどを利用して新たな顧客層の獲得を目指す考え。