学用品購入や給食費の「就学援助」 13市町村はコロナ減収を考慮せず、前年度の収入で審査


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 経済的に困窮する世帯に学用品購入や給食費などを支給する就学援助の対象世帯を審査する際、沖縄県内13市町村が新型コロナウイルスによる減収を考慮せず、前年度の世帯収入で支給対象を決めていることが県社会保障推進協議会(新垣安男会長)のアンケート調査で分かった。22市町村は減収を考慮し、再申請などを受け付けており、市町村によってばらつきが生じている。同協議会は7日、県教育庁を訪ね、減収分を考慮して審査することなど制度の運用改善を求めた。

 市部は11市中9市が新型コロナによる減収を考慮していると回答した。南城市は考慮を検討中、宮古島市は考慮していないと回答した。町村部は、考慮していると回答したのが13町村で、考慮していないのは12町村だった。5町村は無回答だった。

 考慮していないと回答していても、就学援助制度とは別に、給食費無償化や教材支援を実施している市町村もあった。

 同協議会は「就学援助制度に関して国は基準を示していない。市町村の財政力によって差が出ている可能性がある」と指摘した。

 就学援助は要保護世帯や生活保護に準ずる準要保護世帯が支給対象。要保護世帯への支給は国が2分の1を補助しているが、準要保護世帯に対する予算は市町村の一般財源に組み込まれ、運用は自治体の裁量に委ねられている。