なぜ7月4日に全面広告? 金秀Gが県紙2紙で呼びかけた「自由」の理由


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 「真っ直ぐ歩いていきます 元は鍛冶屋ですから」「今日は、独立記念日 昨日までの世界から前進しよう」―。建設、スーパー、鉄鋼、ホテル事業などを展開する金秀グループ(呉屋守将会長)は4日、琉球新報、沖縄タイムス両紙に企業のブランディング広告を出した。

 広告は両紙で文言が異なっているが趣旨は同じ。性別、人種、民族などに関係なく一人一人の自由や尊厳を守ることを訴え、世界各地のウチナーンチュと連携することを誓い、「暮らす人、訪れる人、みんなが笑顔になれる 次の時代の沖縄へ」と呼び掛ける。

 商品をPRするのではなく、企業イメージの認知や向上を目的としたブランディング広告は創業記念日に出すことは多いが、金秀グループの創業日は5月25日。なぜ、7月4日にこのような広告を出したのだろうか。

 謎を解く鍵は、両紙の広告に共通する「今日、7月4日は米国独立記念日、アメリカが自由と尊厳を勝ち取った日。7月28日は多くの県系人が住むペルー共和国が宗主国からの独立を宣言した日」の部分だ。

 呉屋会長は米中西部ミネソタ州で黒人男性が白人警官に暴行され死亡した事件で、抗議デモが世界各地で起きている現状をあげ、「アメリカが自由と尊厳を勝ち取った日に、私たちウチナーンチュの人権も尊重してほしい、大切にしてもらえますかと問い掛けたかった」と意図を説明した。さらに「多様な価値観を認めるウチナーンチュでありたいという思いもこの機会に発信した」と話した。

 呉屋会長は在沖縄ペルー名誉総領事も務めている。