沖縄県外で感染の3人、到着時に感知できず空港スルー 水際対策の限界浮き彫り


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サーモグラフィーによる検温を実施中の那覇空港国内線到着口

 沖縄県内で8、9日に新型コロナウイルスへの感染が公表された3人はいずれも県外で感染し、県内に入った後で症状が出たとみられる。空港ではサーモグラフィーを設置して水際対策を取るが、これだけでは防ぎ切れず、県は体調不良の場合は早めに相談窓口に連絡するよう呼び掛けている。

 県内の空港では発熱者を発見するためのサーモグラフィーを那覇空港に5台、宮古、石垣など離島7空港に計8台設置している。那覇空港では4月11日から7月5日までに37・5度以上の人を58人感知した。5月2日以降は該当者は体温を再測定し、2度目も37・5度以上あれば宿泊先などの情報提供を依頼している。 離島空港では6月16日から7月5日までに61人を感知した。

 ただ、感染していても無症状の人や体温が上がる前の人はサーモグラフィーでは感知できない。県は発熱や息苦しさなどがあり新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、県民は専門の電話相談窓口、旅行者は旅行者専用相談センター(TACO=トラベラーズ・アクセス・センター・オキナワ)に連絡するよう呼び掛けている。

 状況に応じてこれらの窓口から保健所に連絡し、医療機関への受診や検査を調整する。県は今後、検体採取が容易な唾液によるPCR検査を離島を含む各地の医療機関で受けられるよう準備を進めている。

 県の担当者は「気になる人は早めに相談してほしい」と呼び掛けている。県民からの相談は24時間対応のコールセンター(電話)098(866)2129、旅行者は午前6時から午後11時まで旅行者専用相談センター(電話)098(840)1677。

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