浦添市消防、劇薬アドレナリンを紛失 9日後に警察届け出


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
浦添市消防本部(資料写真)

 【浦添】浦添市消防本部(嘉味田朝消防長)は、1ミリリットル容器入りの劇薬アドレナリン3本を、1日までに紛失していたことを11日、公表した。

 庁舎内や出張所、救急車両などを捜索したが発見されず、10日に浦添署に遺失届出書を出した。警察に届け出るまでに9日を要した理由について同消防は「庁舎内と出張所全てを捜索するのに時間がかかった」と答えた。

 同消防は、アドレナリンを積載した救急車は出動していないことなどから「外部への流出は考えにくい」と説明している。

 アドレナリンは、救急救命処置として医師の指示を受けて心肺停止傷病者に投与することのできる薬剤。救急救命処置を行うための資機材を収納した「特定行為用バッグ」にアドレナリン3本をジッパー式ビニール製ポーチに入れ、救急車に積載していた。

 アドレナリンが紛失した救急車は非常用車両で、修理に出す救急車の代用として6月28日~7月1日まで運用したが出動はしていない。6月29日午前9時半ごろの点検時にはアドレナリン3本を確認しているが、7月1日午前7時半ごろの車両清掃時にアドレナリン3本がないことに気付いた。消防本部のほか、内間出張所、牧港出張所も捜索したが、発見に至っていない。

 嘉味田消防長は「大変申し訳ない。引き続き所在を確認するとともに、物品の管理を徹底し再発防止に努める」とコメントした。浦添市の松本哲治市長は「今後は再発防止とともに、より一層市民の安心安全に努める」とした。