ハンセン「クラスター」でも出勤求める 一部従業員「火の中に飛び込むよう」


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キャンプ・キンザーの第1ゲート=12日午後

 【北部】米軍キャンプ・ハンセン(金武町など)で多数の新型コロナウイルス感染者が出ている問題で、基地内で保健衛生上の警戒レベルが引き上げられて以降も、一部の日本人従業員が出勤を求められていることが13日に分かった。感染に関する詳細な情報は伝えられず、従業員の家族から出勤のたびに「まるで火の中に飛び込んでいるようだ」と悲痛な声が上がる。

 事務職などは在宅勤務に切り替わり、技術職は2班体制にするなど3密を避ける措置が取られている。飲食店はテークアウトのみとなった。一方、米兵に弁当を提供する専門職の従業員などは、引き続き出勤を命じられている。新型コロナの関係で隔離されている、米軍関係者らの弁当の準備をしているとみられる。基地内感染者数や感染経路などの情報は、従業員には与えられていない。

 全駐労沖縄地区本部の與那覇栄蔵執行委員長は「今のまま情報を出さずにいると、誰からも信頼されない。感染拡大を防止したいのは県も米軍も一緒だ。双方が協力しなければならない」と力を込めた。