基地従業員の子に登校自粛 那覇の学校「万一に備え」 全駐労「風評防止を」 米軍コロナ拡大


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 米軍基地内で新型コロナウイルス感染者が拡大していることを受け、那覇市内のある学校で基地従業員の子どもを対象に登校の自粛を求めていることが14日、分かった。全駐留軍労働組合(全駐労)によると、沖縄市内の学校でも同様の事例があった。全駐労は同日、沖縄防衛局に風評被害の防止対策を講じるよう求めた。那覇市内の学校は「万が一に備えた対応だ」と危機感を強調し、理解を求めた。

 全駐労の與那覇栄蔵執行委員長は「残念な気持ちだ。基地従業員も命を守りながら業務に従事していることを理解してほしい」と訴えた。風評被害の要因について米軍による詳細な情報提供がないことを指摘し、「米軍に対する県民の不信が払拭(ふっしょく)されないままでは、今後も風評被害が懸念される。米軍は県民に理解を求める姿勢を示すべきだ」と話した。

 那覇市内の学校によると、登校自粛を求めているのは、感染拡大によりロックダウン(封鎖)された米軍普天間飛行場とキャンプ・ハンセンに勤める基地従業員の子ども。13日に担任を通じて自粛を求め、14日は1人が学校を休んだ。

 休んだ生徒は欠席ではなく出席停止扱いとし、成績や進学に不利にならないよう配慮しているという。オンライン学習などにも対応する。

 学校長は「(自粛を)強制しているわけではない。親が基地従業員ということで生徒が差別を受けないように配慮する。担任には十分な対策を取るよう伝えた」と説明した。

 また「保護者が感染したり濃厚接触者となったりした場合の学校の対応に明確な基準はない。感染拡大はフェンスの向こうの話ではない。早く基準をつくる必要がある」と述べた。