「泡瀬干潟を保護区に」 ラムサール条約登録目指し、沖縄県が計画案


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東部海浜開発事業による土地利用の構想図(沖縄市提供)

 【沖縄】沖縄市と北中城村にまたがる泡瀬干潟のラムサール条約登録に向け、県は14日までに鳥獣保護区と特別保護地区に指定する計画案を沖縄市に提出した。県は市と協議しながら泡瀬干潟の保護区指定に取り組んでいく考えだ。一方、市は計画案について「市が進める東部海浜開発事業への影響を与えかねない」として県に再考を求めている。

 県は2月27日付で、沖縄市に事前意見照会を行った。県の計画案に対し、沖縄市は(1)埋め立て地の橋りょう航路を鳥獣保護区から除外する(2)比屋根湿地を除く特別保護区の予定区域を再考する(3)設定期間を20年から10年程度にする―ことなどを求めている。

 市は「東部海浜開発事業」を進め、泡瀬沖合(中城湾港泡瀬地区)を埋め立てて土地利用を図る。市の担当者は「保護区指定が土地利用などに影響しないか懸念している」と述べた。今後、県に計画案に関する説明を求める。土地利用計画に含まれない比屋根湿地の保護区指定には理解を示した。

 ラムサール条約の登録には、関係自治体の賛同を得ることが必要となる。13日の県議会一般質問で、松田了環境部長は「引き続き市と協議を進め、泡瀬干潟の鳥獣保護区の早期指定に取り組んでいく」と話した。