米軍基地内で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、沖縄県内の公立小中学校に通う米軍関係者や基地従業員の子どもの少なくとも70人以上が、学校を休んでいることが15日、分かった。保護者からの申し出で登校を自粛しているほか、保護者が基地から自宅待機を命じられ、子どもが休んだ事例がある。米軍関係者の感染は急激に増えており、県が情報収集を進めている。
学校を休んだ児童・生徒の人数を把握している市町村のうち、最も多いのは北谷町の27人だった。金武町は23人、北中城村は10人前後、うるま市は8人、那覇市は4人だった。西原町は数人が休んでいる。宜野湾市は児童・生徒が休んでいるという報告が数件ある。学校は欠席ではなく出席停止扱いにするなど、休んでも成績に響かないよう配慮している。県教育委員会は「児童・生徒が濃厚接触者でない限り登校させてもいい」との見解を示した文書を市町村教委宛てに通知する。
那覇市では、ある小学校の校長が基地で働く保護者に自宅待機を相談し、14日から児童1人が自宅待機した。市教委は14日に学校から報告を受け、15日、校長に「明日から登校させるように」と要請した。13日には、別の保護者らが基地から自宅待機を命じられ、児童・生徒3人が自宅待機したという。
金武町は8日に「軍関係者の方で、児童・生徒が欠席する場合は学校へ連絡を」というメールを幼小中の保護者に送った。基地関係者が家族にいても、体調に問題がなければ登校するよう各学校へ13日に通知しており、対応は各学校に任せている。
県教委は琉球新報の取材に対し「軍関係、基地従業員の子どもであることを理由に登校を自粛する必要はない」との考えを示した。市町村教委や県立学校には、保護者が登校させることに不安を感じた場合は学校長の判断で出席停止にできることや、差別・偏見が生まれないように配慮を求めることを通知する予定。
軍関係や基地従業員の子どもが学校を休んでいることについて、沖縄防衛局は「現時点で在沖米軍から基地従業員に対し、子どもの登校自粛を求める要請は出ていないと承知している」と回答した。