米軍「医療体制の切迫ない」検査件数など提供へ 基地外に出た感染者の履歴も


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キャンプ瑞慶覧にある海軍病院。米軍関係の新型コロナウイルス感染者の治療や対応にあたっている

 在沖米軍基地での新型コロナウイルスの大規模感染を巡り、沖縄県と米軍は15日午後、キャンプ瑞慶覧の海軍病院で医師らを交えた初の実務者会議を開いた。玉城デニー知事が11日、ステーシー・クラーディー在沖米四軍調整官との電話会談で会議の設置を求めていた。米軍は米軍関係者の病状は「ほとんどが軽症か無症状」で、医療体制は切迫していないとの認識を示した。現時点で重症者はいないという。会議後、県の糸数公保健衛生統括監が報道陣に説明した。

 新型コロナの検査結果について、米軍は県に陽性者数の情報を提供している。県は今後、検査件数や陰性者数についての情報も提供するよう求め、米軍も了承したという。海軍病院の入院患者や重症患者など医療体制の情報も県に提供することが決まった。海軍病院が人工呼吸器を使用する重症者を受け入れられるか否かの詳細について、県は米軍から情報は得られたとしながらも、糸数統括監は「細かい部分は差し控えたい」と公表しなかった。

 米軍の感染者で基地外に出たことを確認したのは23人程度に達し、県はいずれも行動履歴の提供を受けたという。無症状や軽症の感染者は基地内の自宅や隔離施設にいるという。

 県と米軍は今後も米軍の感染状況などを踏まえて必要に応じて意見交換する。