在宅勤務 自治体も可能に シナジーが新ITサービス


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全国初の自治体向けリモートワークサービスを発表するシナジーの幸田隆専務(右)と山城英正営業部長(左)、システム開発本部SI部の田中智博部長(中央)=16日、県庁

 自治体向けシステム開発などを手掛けるシナジー(宜野湾市、下地勝也社長)は16日、県庁で会見を開き、全国で初めてとなる自治体向けリモートワークサービスの提供を8月1日から始めると発表した。自治体は個人情報保護などのため、一般のインターネットから切り離されたネットワークを使っていることから在宅勤務などが難しかった。新サービスは高いセキュリティー環境を整備して、在宅でのアクセスを可能にした。

 全国の自治体は「LGWAN」という閉域ネットワークを利用している。自治体同士のアクセスは可能だが、一般のインターネットからはアクセスできない。新型コロナウイルスの影響で自治体でも在宅勤務などに取り組む必要があるが、システムへの接続に課題がある。

 同社は、沖縄情報通信センター(うるま市)内にあるデータセンターにプラットフォームを構築し、情報が漏えいせず外部からウイルスも持ち込めないようにした。職員が自宅で文書管理などの仕事ができるようになる。地方公共団体情報システム機構から、6月22日に認可を受けた。

 同社はLGWAN内で使用される内部情報系システムのアプリケーションを、県内では県庁を含め14団体、県外では70団体に提供している。このうち、同社のデータセンターを活用している県庁など8団体が新たなサービスを活用できる。同社は地域貢献として県内の自治体には無償で提供するという。

 今後、他社のアプリを使っている自治体でも接続できるようなサービスを開発する。山城英正営業部長は「これからも地域の課題や悩みをITで解決していきたい」と話した。