新基地建設、田中さん「傍観したくない」 女性解放運動の主導者、辺野古で抗議


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
辺野古新基地建設反対の抗議行動に参加する田中美津さん=17日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】1960年代に米国で始まった女性解放運動「ウーマンリブ」の、日本での活動を主導した鍼灸(しんきゅう)師の田中美津さん(77)=東京都=が17日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れ、辺野古新基地建設の抗議行動に参加した。田中さんは「本土が沖縄を捨て石にし続けてきた歴史と現状が嫌で仕方がない。傍観したくない」と市民と共に反対の声を上げた。

 田中さんが沖縄に関心を寄せるきっかけになったのは、写真家の嬉野京子さんが撮影した「少女轢殺(れきさつ)」。1965年に宜野座村で米軍車両にひかれ、車道に横たわる少女を米軍関係者が見下ろす写真に「これはまさしく沖縄だ」と衝撃を受けたという。

 15年ほど前から4年ほど県内に部屋を借り、沖縄に通い続けた。「精神的にうつ状態だった自分を沖縄の空と大地が助けてくれた」。沖縄に対する関心を高めようと、嬉野さんの写真の少女にちなみ「この子、は沖縄だ」というグループ名で活動を始め、5年ほど前からツアーを組んでキャンプ・シュワブゲート前を訪れ抗議に参加してきた。田中さんは「沖縄が苦しんでいる時に何もしないのは、少女を見下ろす人と同じだ。傍観はしたくない」と思いを語った。

 田中さんは今回、18~24日に那覇市の桜坂劇場で上映される、田中さんに密着したドキュメンタリー映画「この星は、私の星じゃない」の舞台あいさつのため来県した。