GoToトラベル開始 官民混乱、業者準備進まず 水際対策未確定


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大型連休を沖縄で過ごそうと来県した観光客ら=22日午前、那覇市の那覇空港(大城直也撮影)

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」が22日から東京都を除く46道府県で始まった。運営側の準備は整っておらず、事業者登録の見通しも立っていない。4連休に合わせて前倒しの事業開始となったが、官民ともに混乱が広がっている。

 同事業は、国内旅行代金の50%を支援する。22日からは、旅行代金の35%、宿泊旅行なら最大で1日1万4千円の割り引きが始まった。最短で27日から旅行社が割引価格の商品を発売する予定だが、当面の間は利用者が旅行後に事後申請をして割引分の還付を受ける必要がある。8月末までの旅行が還付の対象となる。旅行業者への還付申請手続きの詳細は決まっていない。

 22日には、事業者向けの仮申請フォームが観光庁のホームページ上に公開され、県内事業者らも仮申請を進めた。しかし正式な登録が始まる時期は不透明で、旅行社などは商品販売の準備ができない状況だ。仮申請を済ませた県内旅行社の担当者は「全国から何万件もの申請がある中で、いつ参加が承認されるか分からない」と話した。

 事業開始に合わせて県は22日から、水際対策として那覇空港で発熱者を対象に抗原検査を開始した。到着した旅行客に発熱などの症状があった場合、唾液を採取し医療機関で抗原検査を実施するが、陽性者が出た場合の対応など、未確定な部分が残った状態で始まった。22日は発熱者は確認されず、唾液の採取もされなかった。

 4連休前日とあって、那覇空港は多くの観光客でにぎわい、感染拡大防止のためゴム手袋を着用する家族の姿も見られた。京都府から家族で旅行に訪れた服部善行さん(46)は「毎年沖縄に来ている。少し心配だが、あまり人と接しない海でゆっくり過ごしたい」と話した。