検査希望者が病院に駆け込むケースも 観光客増で救急外来の殺到を懸念 沖縄県内の病院「24時間の検査所設置を」


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 政府が国内旅行代金の一部を補助する観光支援事業「Go To トラベル」が22日から始まった。23日からは4連休が始まり、多くの観光客の来県が見込まれる。来県中の観光客が体調を崩し、新型コロナウイルスの検査を受けるため、病院の救急外来への問い合わせや駆け込みが増える可能性もある。県内の病院は危機感を強めており、県に対し、24時間PCR検査に対応できる場所の設置を求める声も上がる。

 本紙の取材によると、18日と19日の土日に県内の病院の救急外来には、体調を崩した観光客からPCR検査を受けたいという問い合わせが寄せられた。検査の受診希望者が病院に駆け込むケースもあった。この病院は、保健所や一般の医療機関を通す必要があるとして検査を断った。病院の担当者は「観光と感染防止策を両立したいなら、県は24時間検査対応できる場所を設置するなど、きちんと対応すべきだ」と要望する。

 県地域保健課によると、東京など流行地域から来県し、発熱やせき症状がある人が県のコールセンターに相談した場合、保健所から協力医療機関につないでいる。PCR検査の実施対象となる症状の要件は以前に比べて緩和され、流行地域から来たかなどを勘案し、症状があれば検査を推奨しているという。

  保健所につなぐケースに該当しない場合にも対応できるように、保険診療で検査を受けられる医療機関の数を増やしている。県は検査を受けられる一般の医療機関名を公表していないが、今後はコールセンターに電話をした人に最寄りの医療機関を紹介する体制の整備を検討する。

 保健所が直接、協力医療機関につなぐ場合は県が検査費用を全額負担する。一般の医療機関で、保険診療で検査を受ける場合も患者の自己負担分を県が受け持つため、患者自身が払う検査料は発生しない。

 県は救急外来への殺到を避けるため、軽い症状で翌朝まで我慢できる人は家やホテルで待機し、一般の医療機関が開いている時間に受診することも呼び掛けている。県地域保健課は観光客などに対し、まずは県の24時間対応の電話相談窓口コールセンター(電話)098(866)2129への相談を呼び掛けている。
  (中村万里子、呉俐君)

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