全員で粘り、つなぐ小禄がサヨナラ勝ちをつかみ取った。昨秋の初戦でサヨナラ負けを喫した相手に「借りを返せた」(金城文哉主将)と成長を見せつけた。
先制したが、八回に逆転され、終盤に1点を追う展開に。だが、金城は「まだまだ全然いける」と焦りはなかった。勝利をお膳立てしたのは好守だった。
八回、左前に抜けそうな打球を三塁手の上原航がダイビングキャッチし、ピンチの拡大を阻止。九回には二塁手の赤嶺正龍がライナー性の当たりをジャンプして捕球するファインプレー。終盤になっても締まった守備に「流れはまだこっち」と皆が確信した。その通りに裏の攻撃で絶好機がやってくる。
1死満塁の大チャンス。3番・山川貴也は得意のスクイズを試みるが追い込まれる。強攻策に出て、振り抜いた打球は中前への同点弾。続く赤嶺正がスクイズを成功させ、勝負を決めた。春は左肩の負傷で出場できず、今大会での活躍を期す山川は「リベンジがかかった試合で結果を残せてめちゃめちゃうれしいです」と照れ笑いを浮かべた。
(上江洲真梨子)