KBC松竹15奪三振 緩急自在、強打・宮古封じ8強 高校野球夏季大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宮古―KBC未来 スライダーや内角を突く直球を武器に、強打の宮古を1失点に抑えて完投したKBC未来の松竹嬉竜=23日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(沖田有吾撮影)

 138球目、外角いっぱいの直球が捕手の喜多慧人(けいと)のミットに吸い込まれると、冷静に投げ続けていたKBC未来の松竹嬉竜(きりゅう)はマウンドを駆け下りながら左拳をぐっと握り込んだ。1点リードの九回裏2死二、三塁。一打出れば逆転サヨナラという場面で、2年生エースが真価を発揮した。

 185センチの長身を生かして角度をつけたフォームから、鋭く変化するスライダーとカーブをテンポ良く内外に投げ分けた。見せ球のチェンジアップや内角をえぐる切れの良い直球も交えて、強打のシード、宮古を相手に三振の山を築いた。

 一回裏を三者三振と最高のスタートを切ると、三回まで安打を許さない力投を見せた。宮古の好守に追加点を阻まれる展開にも、制球を重視して低めに投げ続け、15奪三振、1失点で完投した。

 「喜多さんのリードを信じて投げ続けた」と笑顔を見せた松竹は「3年生のためにも、1勝でも多く勝ち続けたい」と意気込みを新たにした。

(沖田有吾)