<ヒーロー>延長粘る/手登根
手登根愁汰主将(那覇3年)が高校最後の個人戦で有終の美を飾った。新人、石原杯優勝の宮良陸輝(興南3年)に2度の延長戦の末に粘り勝ち。「まさか優勝できるとは」と驚きを隠さず、笑顔を見せた。
昨年の県総体で後輩にレギュラーの座を奪われて意識が変わった。「実力がなかった」と悔しさから西村康監督が求める高水準の稽古に食らいつき、主将としてチームを引っ張った。西村監督も「甘えがなくなり、見事に乗り越えてくれた」とたたえた。
宮良には練習試合でも勝ったことがない。「まともに打ち合ったら勝てない。じわじわ攻めて最後に1本取る」と最初から延長戦に持ち込むつもりだった。果敢に打ち込む宮良の隙を冷静にうかがった。宮良の打ち込みを引いてかわしながら「手が空いていた」と出鼻小手で1本。少ないチャンスをものにした。
24日の団体戦に向けて好調な動きを実感できた様子で「いいスタートが切れた」と7年ぶりの団体優勝を狙う。
(古川峻)
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<ヒロイン>メン/柏木格上撃破
「得意のメンで勝つ」と思い定めていた柏木心(小禄2年)。全九州8強の竹下思美(興南3年)とのメンの打ち合いに勝って1本。続く仕切り直しではフェイントを見越していた。構えを上げた竹下からメンで2本目を奪った。格上の竹下に初勝利し「努力は必ず報われる」と実感した。 福岡出身。大浦勲監督(現・嘉手納高監督)の誘いで小禄に進学し「剣道漬け」の日々を送った。小手や胴に逃げがちだったが、大浦監督に上背を生かしてメンを使うよう助言された。メンを積極的に狙うようになり、その成果が表れた優勝だ。大浦監督も「迷いのないメンだった。壁を一つ越えた」と満足そうだった。
新人、冬季大会と団体優勝しているが、気の緩みはない。「優勝して3年生を笑って送り出したい」と2日目の団体戦へ切り替えた。
※注:大濱凛の「濱」は、右側がウカンムリに「眉」の目が「貝」
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(県立武道館アリーナ)
【男子】
▽準々決勝
宮良陸輝(興南) メ― 仲本竜太(小禄)
末吉克成(興南) メ― 前村幸宗(那覇)
手登根愁汰(那覇) メ― 大町千尋(興南)
仲間大貴(小禄) メ― 比嘉優(興南)
▽準決勝
宮良 メ― 末吉
手登根 メメ― 仲間
▽決勝
手登根 コ― 宮良
【女子】
▽準々決勝
竹下思美(興南) コ― 藤本愛海(小禄)
大濱凛(昭薬付) メ― 備瀬唯乃(興南)
柏木心(小禄) メ― 前村優奈(興南)
玉城星利奈(昭薬付) メド―メ 伊波聖音(前原)
▽準決勝
竹下 メメ― 大濱
柏木 メメ― 玉城
▽決勝
柏木 メメ― 竹下