「封鎖」なのにゲート開放、基地地元「どうやって防げるのか」 米軍感染拡大


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 【北部・中部】米海兵隊がフェイスブックで在沖米海兵隊の関係者41人の新型コロナウイルス感染を発表した24日、感染者が所属する米軍普天間飛行場やキャンプ・ハンセンのゲートは封鎖されず、多くの車両が出入りした。普天間飛行場では外来機の訓練の様子も確認された。普天間とハンセンでクラスター(感染者集団)が発生したとして、在沖海兵隊は両基地をロックダウン(封鎖)したとしているが、基地外との完全な遮断は行われていない。

複数の車両が出入りするキャンプ・ハンセンのゲート=24日、金武町の第1ゲート前

 新たに27人の感染が確認された普天間飛行場では、外来のP8A対潜哨戒機やKC130空中給油機がタッチ・アンド・ゴーを繰り返した。23日は航空機騒音規制措置(騒音防止協定)の時間外の、午後10時を超えて垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ3機の着陸もあった。

 市大山に住む30代女性は「感染者が出た基地に普通に出入りができる状態で、どうやって感染を防ぐことができるのか」と怒りをあらわにする。県内では、感染者が出た小学校が休校したことに触れ「同じような対応をすべきだ。命よりも大事な訓練とは何があるのか」と語った。

 キャンプ・ハンセンでは14人が陽性だった。金武町の第1ゲートでは普段と変わらず複数の車両の往来があった。一方で、ゲート近くの繁華街・新開地は多くの店のシャッターが閉まり、静けさに包まれていた。近隣住民の60代男性は「みんな警戒している。感染してしまうかもしれないし、人がいない方がいいよ」と寂しそうに語った。米軍射撃場の近くに住む久高栄一さん(72)によると、最近は訓練の音も聞こえないという。「町民はハンセンの近くには行かないようにしている。何より命が大事だ。一刻も早い基地閉鎖を求めたい」と強調した。