県内での新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、県は警戒レベルを第2段階の「流行警戒期」に引き上げた。県民からは実態の見えない在沖米軍基地での感染拡大への警戒感もみられる一方、再開し始めた観光業への影響を懸念する声も出ている。
普天間飛行場や嘉手納基地で米軍関係者の感染が相次ぐ本島中部。沖縄市の仲村恵子さん(60)は感染を警戒し、最低限の外出にとどめている。警戒レベル引き上げは「いいタイミングだ」と評価する。基地内の感染拡大を不安視し「市内のスーパーには軍関係者も買い物に来る。基地も感染防止に協力してほしい」と求めた。
本島北部や離島地域からは、再開し始めていた観光業への影響を懸念する声とともに、地域や観光業界の感染対策強化を求める声も聞かれた。宮古島市内で宿泊施設を経営する60代の男性は、警戒レベル引き上げで再び渡航自粛が求められる可能性に言及し「また渡航自粛になると、宿泊や飲食業の多くが持ちこたえられないのでは。立ち向かう体力は残っていない」と吐露した。
一方、八重山ビジターズビューローの金城徹専務理事は「移入の可能性はあるため、八重山も気を抜いてはだめだ。与論島のような事態にならないように対策は徹底しないといけない」と強調した。
本部町観光協会の當山清博会長も「警戒が緩んでいた感がある。自覚によって感染拡大を防ぎ、(観光客を)受け入れる各施設も3密を避ける取り組みが必要だ」と訴えた。
県内では小学生など子どもへの感染例も出ていることから、子育て世代も警戒感が高まっている。4歳の娘を育てる豊見城市の金城紀子さん(44)=会社員=は県の警戒レベル引き上げに「コロナに慣れが出てきていたので、危機感は必要だ。子どもへの感染も心配だ」と気を引き締め直した。
県夏季大会を開催している県高校野球連盟の岩﨑勝久会長は「県の発表を注視している」とし、具体的な自粛の指針が示された場合、3年生の保護者のみに認めている入場規定について再度協議する方針。
8月3日に県高校総体の柔道競技を予定している県高校体育連盟の竹西正好理事長は「現状で影響はない。具体的な変更があった後の対応になる」と述べた。