【熱闘・県総体】男子バレー、美里工18年ぶり頂点 エース饒平名が重責果たす


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
美里工業―西原 第1セット、31点目となるブロックポイントを決める美里工業の饒平名丈衣(12)と山根祐貴(10)=26日、豊見城市の豊見城市民体育館(又吉康秀撮影)

 2020年度県高校総体第8日は26日、6競技を行った。バレーボールの男子は美里工が西原の11連覇を阻止し、18年ぶり12度目の栄冠を手にした。女子は西原が2年ぶり11度目の優勝を果たした。

◆男子バレー

 30―29でつかんだ7回目のセットポイント。西原の攻撃に備えて美里工のレフトエース饒平名丈衣がライト側にシフトし、ミドルブロッカー山根祐貴と呼吸を合わせ飛ぶ。西原のエース安仁屋光葉のスパイクをがっちり捉えシャットアウト。相手コートにボールを沈ませ、接戦の1セット目を制した。勢いに乗った美里工は続くセットも奪取しストレート勝ちで古豪が復活を果たした。

 試合終了後、整列した饒平名は両手で顔を覆った。「続けてよかった」。伝統の重み、エースの責任を心にとめ、必死に励んできた練習が報われ、うれしさで涙をこらえきれなかった。

 受験時は美里工がバレーボールの伝統校とは知らなかった。中学では1、2回戦の経験しかなく、上位に食い込む先輩の圧倒的な力に「こんな試合がしたい」と夢中になった。1年生大会で因縁の西原と「いい試合ができた」ことをきっかけに打倒を決意。努力は昨年度の新人大会、KBC学園杯で実り、西原を連続して撃破し優勝した。

 この日、饒平名は追い付かれる場面でも「自分が焦ったらチームが焦る」と、KBC杯で出ていた感情的なプレーを抑え、冷静さを心掛けた。ミスを減らし2セット通じて先行されることなく勝利に導いた。「メンバーに恵まれた。このチームで春高予選も戦う。バレーを楽しめば次も勝てる」。全国の舞台を決して諦めない。
 (謝花史哲)

男子バレーボールで優勝した美里工業高

(豊見城市民体育館)
【男子】
▽準決勝
美里工 2―0 小禄
西原 2―0 名護

▽決勝
美里工 2 31―29 0 西原
      25―20