辺野古地盤改良の詳細記載せず 防衛局の設計変更申請書


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名護市辺野古の新基地工事現場

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が県に提出した設計変更の承認申請書で、大浦湾の海底に打ち込む杭(くい)の太さや長さ、事後の沈下予測など地盤改良工事の詳細を記載していないことが30日までに分かった。承認を得た後、申請書の表記に縛られるのを避ける狙いがあるとみられる。

 防衛局は建設予定地の軟弱地盤の改良工事を追加するため、設計を変更したい考えだ。防衛局が設置した専門家の技術検討会では、杭約7万1千本を最深で海面から約70メートルまで打ち込む計画を提示していた。杭の太さなども決め、施工後の沈下も予測している。

 県に提出された設計変更の承認申請書には、技術検討会で示された詳細が盛り込まれていない。今後、県が内容の審査を進める上で詳しい説明を防衛局に求めるとみられる。玉城デニー知事は承認しない構えだ。

 申請書には護岸の配置を変えることや、施工順序の変更が記載されている。外周護岸を閉めきらずに土砂を投入する計画も盛り込んだ。環境保全について記した添付書類も変更。当初は土砂投入時に海の濁りが強くなる見通しだったが、地盤改良工事でも濁りが増加する予測となっている。

 水陸両用車が出入りするとみられる斜路は米側の要望を受けて向きを変えた。