着手済みの工程も申請 辺野古設計変更 既成事実化図る


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米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設の現場=6月、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡る沖縄防衛局の県への変更承認申請では、護岸建設や埋め立て工事の順序を変更する内容も盛り込まれた。だが中には既に着手済みの工程も含まれており、知事の変更承認を得る前から、当初計画の内容を変えて工事が進められていたことになる。県は以前から順序変更には知事の承認が必要になると指摘してきた。国がその指摘を踏まえずに既成事実化を図り、ここにきて“後出し”で変更を申請した形だ。
 
 沖縄防衛局の当初計画では、埋め立て予定海域の北側で護岸を整備し、護岸で囲んだ区域から土砂を投入していく工程が示されている。

 ところが実際には、護岸整備は南側の海域で進んでいき、現在の埋め立て工事に至っている。北側の大浦湾に軟弱地盤が広がっていることが判明したため、浅瀬の南側から埋め立てる工程に変更したとみられている。2018年5月の国会答弁で小野寺五典防衛相(当時)は、順序変更は埋め立て承認申請書本体ではなく、添付書類に関わる記載事項だとして「(県への)変更承認申請は必要ない」と説明していた。

 今回の沖縄防衛局の変更承認申請では、埋め立て承認申請書と添付書類の両方で埋め立て工事の順序に変更を加えている。