社会

【識者談話】春田吉備彦沖縄大教授 基地内立ち入り、職場環境確認を

春田吉備彦沖縄大教授

 米軍基地内では日本の法律が適用されず、労働行政が機能していない。米軍は基地従業員に対して業務命令権と指揮命令権を有しているが、従業員と労働契約を結んでいるのは国(防衛省)であり、三者間の契約関係において防衛省の雇用責任は曖昧になっている。特殊な労使関係のために、基地従業員の労働法上の課題はこれまで先送りにされてきた。

 雇用主である防衛省は米軍の許可を得ない限り、従業員の職場である施設や区域に立ち入ることができず、基地内の状況に関与することに及び腰だった。防衛省は基地従業員の実態を把握できていない。

 米軍の業務命令権が暴走する場合、国は雇用主として歯止め役を担う必要があるだろう。国は労働契約法に基づいて、従業員の安全配慮義務を尽くさなければならない。新型コロナ禍のような非常事態で基地従業員の健康管理や不安を解消するためには、これまでの労務管理は通用しない。基地内に立ち入り職場環境を確認するなど、米軍とともに問題解決に取り組む必要がある。

(労働法)



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