八重高「夏」制覇 地元に歓喜、偉業達成に島沸く 夏季高校野球


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優勝が決まった瞬間、拳を上げて喜びを爆発させる上唐健さん(左)ら=2日、石垣市

 【石垣】高校野球の沖縄県夏季大会を制した県立八重山高校がある石垣市内は2日、歓喜に沸いた。関係者らは同校初の夏の県大会優勝に「歴史を塗り替えてくれた」と涙ぐみ、チームの偉業をたたえた。

 エースの砂川羅杏(らいあん)投手らの出身校・石垣第二中学校の野球部顧問を務め、八重山高校野球部OBでもある上唐健さん(43)は、自宅にある空手道場でOBらと教え子の活躍を見守った。集まったメンバーは優勝が決まった瞬間、拳を振り上げ、テレビを通じて流れる校歌をマスク越しに斉唱した。

 上唐さんは涙をこらえながら「歴史を塗り替えてくれた。最高の選手たちだ。満員のスタンドの中で雄姿を見せられなかったのは残念だが、率直にうれしい」と喜びを口にした。「今回の優勝は、今の小中学生が地元の高校から甲子園を目指すという夢を持つことにもつながる」と今後に期待を寄せた。

 八重山高校野球部OBの兼松宏吏さん(43)は「大差がついても絶対に諦めない粘り強さを感じた。僕らができなかった優勝を達成してくれてうれしい」と語った。