就任4カ月で沖縄の「夏」頂点つかんだ 八重山・兼島兼哲監督 「私は助言するだけ」


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指示を出す八重山の兼島兼哲監督=2日、名護市のタピックスタジアム名護

 2020県高校野球夏季大会で、八重山を夏の県大会で初優勝に導いた。小学、中学と県大会や全国制覇を果たしたメンバーを率い、4月の監督就任からわずか4カ月。自身にとっても初の優勝だ。試合後、報道陣の問い掛けに「実感が湧かない」といつもと変わらぬ穏やかな表情で応えた。

 選手個々の能力を信じ「自主性を重んじた方針」で、一気に頂点へと駆け上がった。継投法まで選手が提案する。「私は助言するだけ」と選手主体の考える野球が結実した。

 これまでの監督経験は西原高の1校のみ。2010年に選手権沖縄大会で16強入りした。その後は指導から離れたが、17年度から八重山に赴任すると副部長や部長として再び野球に携わってきた。

 甲子園の中止で、チームがばらばらになりかけた時も「出場するかは自分たちで決めなさい」と伝え、何度も話し合いを持たせた。出場を決めた選手たちは「父母、地域のために優勝しよう」を合言葉に、有言実行を果たした。

 離島で対戦相手が限定され、実戦経験が豊富とは言えない中でも結果を残した選手たちに「本当によく頑張ったという言葉しか出ない。いろいろな苦労を乗り越え、保護者や地域の方に支えられここまで来られた」。優勝への期待を寄せ続けてくれた島の人々への感謝の言葉が口をついた。